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26.07.09
櫛谷哲史が解説 | SDGsとは?アパレル業界の取り組みと向き合い方
近年、SDGsという言葉をよく見聞きする機会が多くなったのではないでしょうか。アパレル業界でも同様で、SDGsに掲げられている17の目標は、一見すると個別のようでひとつの大きな目標としてまとまっているため、様々な角度からアパレル業界にも関係していると言われており、多くのブランドがSDGsに取り組んでいます。今回はSDGsの17の目標とアパレル業界との関係性、注目される理由に加え、ブランドが取り組む具体的な事例をご紹介していきます。
SDGsとは?
持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された,2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます。
SDGsの17の目標
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロ
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなに そしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤を作ろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任 つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
- 貧困をなくそう2. 飢餓をゼロに3. すべての人に健康と福祉を4. 質の高い教育をみんなに5. ジェンダー平等を実現しよう6. 安全な水とトイレを世界中に7. エネルギーをみんなにそしてクリーンに8. 働きがいも経済成長も9. 産業と技術革新の基盤をつくろう10. 人や国の不平等をなくそう11. 住み続けられるまちづくりを12. つくる責任つかう責任13. 気候変動に具体的な対策を14. 海の豊かさを守ろう15. 陸の豊かさも守ろう16. 平和と公正をすべての人に17. パートナーシップで目標を達成しよう
「1~6」は基本的人権や生活水準に関する内容、「7~12」は経済的・社会的な豊かさに関する内容、「13~15」は地球環境に対する内容で、「16、17」はすべての目標を達成するために欠かせない目標となっています。
(参照: 外務省、JAPAN SDGs Action Platfoem, https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html)
SDGsに注目が集まる理由とは?
「SDGs」は2015年に採択されましたが、その注目度は年々上がっています。その理由として考えられるのは、CO2排出量の増加による温暖化、異常気象、森林の砂漠化など、世界全体で取り組まなければならない問題への危機意識の高まりや、「MDGs」に比べると分かりやすく、先進国・途上国が揃って課題を解決できる枠組みになっていることが上げられます。また、ビジネスチャンスとしての重要性が認知されたことも大きいでしょう。経営やマーケティングなどの視点から、企業にとっても無視できない指針のひとつとなっています。さらにアパレル業界では、影響力のあるモデルやタレント、インスタグラマーなどが、自らの言葉で「SDGs」を発信しており、ファッションに関心の高い20~40代の女性を中心に注目が高まっていることも理由のひとつと言えるでしょう。
アパレル業界とSDGsの関係
1. 労働問題|アパレル業界とSDGs
多くのアパレル企業が途上国への仕事提供に貢献していますが、労働コストを削減することで安価な服の販売を実現しているため、労働問題が深刻化しています。近年では労働環境や長時間労働など、労働者の基本的な人権が守られることも重要視されており、多くのブランドが、労働者や環境に配慮した生産様式に移行しています。この問題は、人権問題や「7~12」の経済的・社会的な豊かさに関する内容まで広く当てはまります。
2. 大量生産と大量消費|アパレル業界とSDGs
アパレル業界は、大量生産・大量消費を行う企業が多く、日本だけでも1年間で10億着を軽く超える衣服が廃棄されている余剰在庫が問題視されています。近年では企業や消費者の「SDGs」への理解の高まりで、生産量のコントロールやリサイクル、オフプライスストアが注目されるなど、様々な取り組みがなされており、今後の目標達成に期待されています。この問題は、「12」つくる責任つかう責任はもちろん、先に上げた、生産過程における「環境問題」「労働問題」にも関係すると言えるでしょう。
3. 環境汚染の問題|アパレル業界とSDGs
服の素材の綿花栽培に使われる大量の農薬(化学物資)や、廃棄する際の焼却処分で排出されるCO2による環境問題は深刻です。その課題に取り組むべく、アパレル業界では無農薬の綿花栽培(オーガニックコットン)を使用したり、リサイクルや環境に配慮した素材開発に取り組む企業が増えてきています。この問題は、「13~15」の地球環境に対する内容に当てはまります。
アパレル業界のSDGsに対する具体的な取り組み
H&M|SDGsアパレル企業
H&Mグループは服の素材にこだわり、よりサステイナブルなコットンの素材を使うことに尽力してきました。その成果として、サステイナブル・コットンのランキングで第3位に選ばれました。コットンはH&Mグループが製品のために最も多く調達する繊維です。H&Mグループは2030年までに全ての素材をリサイクルして、よりサステイナブルな方法で調達されたものに切り替え、今よりもサステイナブルなコットンに投資することを目標にしています。
(参照: H&M Group, Sustainability, https://hmgroup.com/sustainability/)
ユニクロ|SDGsアパレル企業
ユニクロを展開するファーストリテイリングは「よい服をつくり、よい服を売ることで、世界をよい方向へ変えていくことができる」と考えています。また、ファーストリテイリングはSDGsの中の環境分野における5つの注力領域(気候変動への対応、エネルギー効率の向上、水資源の管理、化学物質の管理、廃棄物削減と資源効率の向上)で環境問題の解決に取り組んでいます。実際の環境負荷を考慮した商品開発の具体例としては「RE.UNIQLO」が挙げられます。「RE.UNIQLO」は服から服へのリサイクルを目指し、ユニクロは全商品をリサイクル、リユースする取り組みです。
(参照: ユニクロ、ユニクロとSDGs, https://www.uniqlo.com/jp/ja/contents/sustainability/sdgs/index.html)
URBAN RESEARCH|SDGsアパレル企業
アーバンリサーチは国際社会の一員として、積極的にSDGsを支援しています。中でも、「C」から始まる3つのテーマを中心にアパレル業界視点で個性を生かした取組を行っています。3つのテーマについては以下で記載しています。
①衣類資源の有効活用/Clothing Innovation
1.サステナブル素材の活用
2.生産量の適正化
3.アップサイクルの推進
②地球環境負荷の軽減/Clean Earth
1.従業員の環境に対する意識の向上
2.環境問題に対するお客様との価値共感
3.環境に優しいオフィスづくり
③コミュニティの形成/Community Building
1.地域の技術や特産品を生かしたモノづくり
2.異業種や自治体・NPOなど多様なビジネスパートナーシップ
3.人々が集まり価値を共有できる場所づくり
(参照: URBAN RESEARCH Co.,Ltd., アーバンリサーチのサステイナビリティ、https://www.urban-research.co.jp/company/sdgs/)
まとめ
近年、話題になっているSDGs はアパレル業界でも重要な考え方です。アパレル業界だけが環境・労働問題の解決に取り組むのではなくて、我々消費者も服を大事に永く使って、使えなくなった服はリサイクルするといった取り組みを1人1人が考えていくことが大切です。
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執筆者:FashionRoom 代表カウンセラー 櫛谷 哲史(くしや さとし)
この記事は、大手セレクトショップの元人事部長であり、過去2万人を超える求職者の方々の面談実績を持つ櫛谷哲史(Kushiya Satoshi) が執筆しました。
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(詳細プロフィールはhttps://fashion-room.jp/kushiya/)
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