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26.07.29
アートデザインから考える自身のキャリア 2年に一度開催されるヴェネチアビエンナーレの魅力|世界のアート・デザインの展示会
私が過去に参加した2年に一度イタリアのヴェネチアで行われるアートの祭典「ビエンナーレ」。
アート、デザインの美術展としては世界最大規模のイベントで、世界中の国からアーティストが集い、およそ半年に渡って展示を行います。もちろん一般の人も会場で、最新のアートを体験することが出来ます。今回は、そんなヴェネチアビエンナーレの魅力や2022年開催のビエンナーレについてご紹介して行きます。
なぜ今過去のイベントなのか。偶然私が参加した当時を振り返るきっかけがあったほか、デザインアートのレポートを通じて、みなさんの人生キャリアに少しでも参考になるきっかけを提供できればと思ったからです。
過去のイタリアのいくつかのイベントを何回かに分けて解説、説明を行っていきますので、楽しみながら読んでいただけたら嬉しいですし、何かのきっかけになれば嬉しいです。
ヴェネチアビエンナーレの魅力とは?
2年に一度開催される世界最大規模の現代美術の展覧会
ビエンナーレはイタリア語で「二年に一度」の意味です。美術、建築、音楽、映画、演劇を独立部門として有していますが、美術展は建築展と交互に開催されています。第1回目の開催は1895年で、歴史的な蓄積があるという点からも、現在何百とある国際展のなかでも筆頭に挙がる存在なのです。
パヴィリオンと呼ばれる国ごとの展示会場
出展単位となるのは「国」であり、参加国は国内キュレーター(コミッショナー)と代表アーティストを選出して自国のパヴィリオンでテーマを設定し、展示を行います。展覧会は賞形式で、各国の展示の中から金獅子賞(優秀賞)が選ばれます。コミッショナー制と授賞のための国際審査は、ムッソリーニ政権下の1930年代に導入され、その形式のために「美術のオリンピック」と呼ばれることもあります。メイン会場はジャルディーニ(カステッロ公園)とその周辺に構えられたパヴィリオンですが、2000年代以降アルセナーレ(旧国立造船所)が新たに会場として加わりました。また、主に若手アーティストを紹介する「アペルト」部門も一時の中断を経て継続的に行われています。
世界へ発信し続ける日本パヴィリオン
日本は52年に初めてビエンナーレに公式参加しました。これまでに日本人アーティストの土方定一、瀧口修造、針生一郎、東野芳明、中原佑介らが日本パヴィリオンのコミッショナーを務めました。56年には棟方志功が国際大賞の版画部門で受賞しました。近年では、2013年にアーティストの田中功起とキュレーターの蔵屋美香による展示が特別表彰を受賞して話題を呼びました。
(参照: JAPAN FOUNDATION, ヴェネチア・ビエンナーレ日本館公式サイト、ヴェネチア・ビエンナーレ、https://venezia-biennale-japan.jpf.go.jp/j/about)
ヴェネチアビエンナーレ2022の見どころ
テーマ 「The Milk of Dreams」|ヴェネチアビエンナーレ2022
第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展は2021年に予定されていましたが、新型コロナウイルスの影響で2022年4月に延期されました。そのテーマが「The Milk of Dreams」に決定しました。このテーマは、イギリス人の画家、彫刻家、小説家でもあるレオノーラ・キャリントンの著書から引用されたもので、同ビエンナーレのキュレーターを務めるチェチリア・アレマーニは彼についてのステートメントのなかで、「このシュルレアリスムの芸術家は、想像力のプリズムを通して人生がつねに再認識され、誰もが変化し、変身し、自分ではない何かになることができる魔法の世界を描いている。今回のビエンナーレでは、身体の変容と人間性の定義を通して、私たちを想像の旅へと誘う」とコメントしています。
参加アーティストの多くが女性|ヴェネチアビエンナーレ2022
2022年のビエンナーレには、58か国から200人以上のアーティストが参加しており、そのうち180人以上のアーティストがこれまで国際美術展に参加した経験をもっていません。また、ビエンナーレの127年の歴史のなかで初めて女性あるいはジェンダー・ノンコンフォーミング(性に関する旧来の固定観念に合致しない人)のアーティストが、参加者全体の90%を占めていることも大きな特徴の一つです。同展は、「身体の表現とその変容」、「個人とテクノロジーの関係」、そして「身体と地球の関係」という3つのテーマに基づいて構成されています。
様々な表現のアートを体験できる場所|ヴェネチアビエンナーレ2022
「The Milk of Dreams」には、これまで美術史のなかではあまり評価されてこなかったアーティストの作品が展示され絵います。たとえば、ミルランデ・コンスタント(Myrlande Constant)は、ビーズを使った大判の作品を展示しました。作品の主題はブードゥー教の神話とハイチの風景に基づいており、異なる人種・宗派・国籍の人物が一緒に儀式を行う様子が鮮やかな色使いで描かれています。彼女は長らくブードゥー教徒のための旗を作る工場に勤務していましたが、従業員のほとんどは男性であったといいます。コンスタントは、伝統的なイメージをガラスビーズという女性的な素材で再現することで、男性中心的な文化に疑問を投げかけています。
(参照: TOKYO ART BEAT, ヴェネチア・ビエンナーレ2022現地レポ!【1】, Yuki Saiki, 2022.05.02, https://www.tokyoartbeat.com/articles/-/venice_biennale_2022_report1)
2022年日本パヴィリオン「ダムタイプ」|ヴェネチアビエンナーレ2022
日本のアート・コレクティブの先駆け的な存在であるダムタイプは、美術、映像、コンピューター・プログラム、デザイン、音楽、ダンスなど異なる領域で活動する複数のアーティストが集まり、1984年に京都で結成されました。プロジェクトごとに様々なメンバーが参加する方式によって、定型をもたず、ヒエラルキーなどのない平等な関係で共同制作を行うことを重視しています。これまでの作品では、ジェンダー、人種、エイズ、生と死、記憶、情報化社会など多岐に渡るテーマを扱い、国内外の美術館や劇場でパフォーマンスやインスタレーション、映像を用いた舞台作品や展示を発表してきました。今回のビエンナーレでは、坂本龍一を新たにメンバーとして迎え、インターネットやソーシャルメディアの進化・発展や、世界的な新型コロナウィルスの感染拡大によって大きく変化した、人々のコミュニケーションの方法や世界を知覚する方法について思考を巡らし制作したインスタレーションを展示しています。
(参照: JAPAN FOUNDATION, ヴェネチア・ビエンナーレ日本館公式サイト、ダムタイプ、https://venezia-biennale-japan.jpf.go.jp/j/art/2022)
まとめ
2021年には新型コロナウィルス感染拡大の影響で、延期を余儀なくされてしまったヴェネチアのアートの祭典ビエンナーレですが、2022年から再開されました。徐々に家の中から外に足が向くようになった今だからこそ、アートの祭典に出かけてみてはいかがでしょうか。
いかがでしたか?アートを知り、デザインを知り、ファッションの楽しさや奥深さを感じるきかっけになればと思っています。
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